景気にあまり左右されない医療業界は、高齢化の問題もともなって更に人材が不足し、就職難とされる現在の社会情勢の中でも、働き手市場とされる職業である。
しかし、医療業界においては、基本的に殆どの業務が国家資格を持たなければ、業務に従事することを許されておらず、単に人材が不足しているからといっても、転職することはなかなか難しい。
それでも、医療業界の国家資格は、他の業種の国家資格と比較すると、全般的に合格率がとても高く、学生のうちに専門校や医大を目指すことで、90%以上の高い合格率を誇っている。もっとも、医師免許のように、医大で学ぶためには、莫大な学費がかかり、その大金をかけて勉強した者が資格を得られなかったのでは、洒落にならない。
その為、医療業界の頂点である医師に関しては予め医大に進む時点で、高い競争率を勝ち抜き、ある程度才能のある学生に絞り込まれている。
しかし、看護師や放射線技師、歯科技工士などの国家資格は、何も医大に進まなくとも、専門の養成校へ進むことで、ほぼ国家資格を合格して得ることは確実です。
これらの資格は、医師のように専門校に進む時点で、受験戦争を勝ち抜かなければならないと言う高いハードルはなく、誰もが比較的容易に目指すことが可能です。
むしろ医療業界全般の資格は、受験内容が難しいということではなく、受験をする為の資格を得ることが難しい現状にあります。
さらにこれらの専門校は、通信教育や夜間校がなく、働きながらこれを目指すことは一般的に容易ではありません。医療従事者になるには、早めからの決断が必要とされるのです。